365のお題:21-25



21.YES
音楽が好き。聞くにしても歌うにしても。 ハイイイエ
パソコンを持っている。どんなものでも。 ハイイイエ
教科書で習った話を覚えている。一つでも。 ハイイイエ
絵を描くことは好き。嫌いじゃない。 ハイイイエ
しねばいいのにと思うヤツがいる。たまに。 ハイイイエ
嘘をついたことがある。それなりに。 ハイイイエ
ときどき何かに感動する。まれに。 ハイイイエ
今、しあわせ。人並みに。 ハイイイエ

「ハイ」が多いほど、あなたは私と似ています。

2009/06/01/mon



22.NO
 物事には順序がありまして、であるがゆえに、光と闇とはいつも争っておりました。彼らは生まれた順番のことで、長きにわたり喧嘩をしておったのです。
 光がなければ闇は生まれませんし、闇がなければ光もまた生まれえぬものです。彼らは質は違えど双子のような存在なのでした。もっとも、こんなこと、彼らの前では言えませんでしたが。
 あんまり激しく言い争いをするものですから、神さまもとうとう参ってしまいました。そこで、双方を別々の世界に引き離すことに決めたのです。光に天と朝、闇には地と夜が与えられました。これは案外、都合が良いものでした。光と闇には、それぞれ、それに適した生き物が住まうようになりました。犬や鳥は朝、魚や狼は 夜、といった具合に。
 ただ、困ったことに、植物だけはどっちつかずでありました。彼らは幼いころは暗闇を必要といたしますし、大きくなったあとは光を浴びねばなりません。これに、腹を立てた者がおりました。そう、光と闇です。彼らはそれぞれ十二の仲間を手に入れておりまして、十三番目の仲間として、植物を引き入れようと考えていたのです。
 光と闇ははかわるがわるに姿を現し、植物に、どっちつかずの態度を改めるように言いました。植物としては、どうにも致し方ないことでして、好きでどっちつかずをやっているのではないと主張はしてみたのですが、光も闇も、聞く耳を持ってはくれません。
 植物はついに、何を言われようと沈黙を決め込むことにいたしました。光が情熱的に語りかけようと、闇が甘い言葉で囁こうと、見向きもしないようになりました。どちらに対しても、イエスとノーの両方を言わねば、植物だって生きていけなかったのですから。
 やがて、双方諦めて、引き返していきました。そして、各自、あれほどたくさんいた自分たちの仲間が、一人もいなくなっていることに気がついたのです。
 それは、植物に限った話ではありませんでした。すべての生き物たちにとって、光と闇は等しく必要だったのです。
 逃げ帰ったものたちは、天と地の間に暮らすようになりました。

 空の高くや地面の深くに住めないのはなぜか、のお話。

2009/06/24/wed



23.アイスクリーム
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2009/08/11/wed



24.新しい靴
 はき替えたことで何が変わるのかと問われ、私は答えに窮した。
 履き心地が変わるだろうか。足跡は変化するだろうか。あるいは前の靴より山の高みに登ることができ、それまで歩んできた道を別な場所から見下ろすことができるようになるだろうか。
 ありえない。ありえない。
 靴が変われど、大して変わらぬ私である。

 だから私はこう答える。
「気分だよ。はき替えたい気分だったのさ」

 そう、気分。前の靴はまだ履けた。ガタは来ていたけれど、履けないわけではなかった。なのに私ははき替えた。それより前には、無理矢理取り換えられた靴もあれば、鼻緒が切れた靴もあった。だが今度のは、私の気分で履き替えたのだ。
 ――もっとも、その気分とやらも、どこぞから流れてきたものが私に伝染っただけかもしれないのだが。
 だから気にしてくださるな。靴が変われど、私は大して変わらぬさ。ただまあ、その気分とやらにほだされ流され、けもの道を歩んだ時代もあったわな。

2009/09/02/tue



25.ごちそう.
「ほかほかごはん。よろしければ、塩じゃけつけて」

 これをしあわせと呼ばずして何と呼ぼう。

2010/05/14/fri