NHKのつかこうへい特集を見ています。

「芝居というナマモノで、人間と向き合う。自らの生と向き合う。」

そのようなメッセージ性がビンビン伝わる仕様となっています。なかなか面白いけれど、ううむ、なんだろうなあ。つかこうへいの話に現れる『かなしさ』の部分がもっとフィーチャーされてほしかったなあ。きっと、つかこうへい本人がこの番組を見たんなら、

「これもすべて、おれが既に死人だからだ。誰だって肺がんで死ねば、それなりの物語になるもんだ。」

くらい、言ったかもしれません。

放送で引用されていたのは『つかこうへいの新世界』からだけでしたが、『傷つくことだけ上手になって』もとりあげてほしかったなあ。

2010.12.24(fri)22:42

ひきつづき、『きもの』を読んでいます。

ちょうど、主人公とその祖母が、関東大震災に見舞われるところです。

関東大震災の話は、この時代の物語(それはつまり、東京の、でもある。発展を続ける日本の代表みたいな場所なのだから)には欠かせないものなのでしょう。西條八十の本をよんでも、関東大震災の話は欠かせないエピソードとなっています。被災地で過ごす夜、小山の上から聞こえるハーモニカの『カチューシャの唄』の音色に励まされ、象徴詩人・西條八十は、歌謡曲作詞家としての道を歩み始めます。

大震災、のような出来事に遭遇することでもないと、いまのじぶんの「生」が、いかにあやうく、いつ途切れてもおかしくないものであるのかを、真実の意味で理解できないのかもしれません。いや、じっさいそうなのでしょう。「大震災」について、私は「起こったらこわいなあ」という程度の想像はできますが、いかに生き延びるか、生きていられるか、その瞬間に失われる自分の命というものを、上手に想像できません。満員電車に乗ったりなんかしていたら一巻の終わりです。

それにしてもね、『きもの』です。当時の生き方をみていると、どうも、今より「のんき」なかんじがするのは、気のせいでしょうか。なにかにつけて、スピードがゆっくりであるせいかもしれません。なんだろうな。着るもの、手に取るもの、日々の他愛のないものを丁寧にみつめるということを、忘れていました。だから当時がうらやましい、というのは少々お門違いというか、ならば今、私はどのようにして「日々の他愛ないもの」と向き合おうか、とおもうわけです。そのように誠実な人間でありたいと思います。そういうことを思うことが、既に誠実じゃなくなっているのだけれど、これもなにかのすてきな「物語」の一つでしかないけれど、そこにしか「誠実」はやってこないと思います。

そんなことを考える年末。そういえば、晴れて本社待機となりました。

私「『どこかに行くまでの中継点としての待機』ではなくて、『とりあえず待機』ですか」
先輩「そうです」

だそうです。
年末は実家に帰るので、日記の更新は27日〜年明け5日頃まで滞ります。

2010.12.22(tue)22:38

ところで今、幸田文「きもの」を読んでいます。
……すばらしい。
生活に由来する『てつがく』ほど、たくましいものって、ないなあ。

「HOME」の最後を書きすすめたい今日この頃。なんとか年内に! 年内に!!

2010.12.20(mon)21:42

となりの席の先輩が、ちょっと愉快な声で、中国産の「巨大ガンダム」について教えてくれました。ヤフーのニュース写真でしたが、真っ黄色で、圧縮された小さな写真であるにもかかわらず、粗さが目立つ代物でした。

うむむ。

ごまめです。

なにが「うむむ」かというと、「これを楽しげに見つめてしまうこと」に対して、「うむむ」なのでした。目の前には、「ビジネスパートナー(BPさん、ようするに協力会社ってことだが、なんだこのことば。分かりにくいわ!)」の会社の、中国からの留学生も来ているというのに。そして就職活動に励むニッポンの学生たちは、優秀な中国人留学生を取りたがる企業を相手に苦戦しているというくらいだというのに。われわれときたら、「偽ガンダム」で喜んでるのだから。それでも、定期的にこういうニュースは飛びこんでくるのでしょう。北朝鮮の核開発や、「アホで間抜けなアメリカ人」みたいなもので。そうしないと、お昼のワイドショーはやっていかれないし、そういう手段がいちばん、目の前の問題から逃げるためには、やりやすいのです。問題は「中国のパクリ」や「アメリカの支配」ではなくて、そういう「分かりやすい」問題で、思考回路を閉ざすことじゃないかしら。「それでも、パクリは犯罪だ!」っていうのは、揚げ足取りにすぎない。そのことを問題視することそのものが問題なのではなく、それを見つめることしかしないのが問題なんだから。パクリがどうした。だいたい、それを活用することで、かつての日本や、いまの中国という国が発展してるんじゃないのか?

まあ、そんなことはどうだっていい。

三年連続就職難、「超」就職氷河期と言われる昨今、運よく、就職氷河期入口時期に滑り込みで就職したとはいうものの、来月からもしかすると、「社内失業(凄い言葉。ようするに、お仕事が無いんですね)」するかもしれないわたしも、他人事ではなかったりするのでした。スキルのない、足手まといにしかならない新人は、客先も先輩も面倒みたくないわなあ、そりゃあ。まあ、まだちゃんと決まっていないのですけれども。て、いうか、ほとんど確定なんとちがうか。年明け、って、実質五日じゃないか。

ちなみにこの「社内失業」状態というのは、噂によると、「給料六割、週休五日」労働だそう。

教えてくれた先輩に、
「それ、おとくと違います?」
と言ったら絶句されました。

ごまめでした。

2010.12.20(mon)21:42

母「なあ、ワンピースっておもろい?」
私「…どのワンピース?」
母「アニメ」
私「なんで?」
母「映画あるから観ようかと思って」
私「なんで?」
母「職場で話題やから」

というわけでいまから「ストロングワールド」観ます。

******

ただいま。

一時間すぎたところで母に電話してみたところ、「分からんし難しいから観るのやめた!」とのこと。
え、ちょ、母?!
とりあえず「いや、おもろいで?」と教えておきました。

まあ、「超・ジャンプ!」な話でした。エンタメはこうでなくちゃ、って感じの。メッセージ性だとか、伝えたい思いだとか、そういうのをすっとばした話、好き。中途半端なのよりずっといい。
こりゃあ、そりゃ、ブレイクするわ。映画。公開当時は本屋でバイトしてましたが、店長がおもろいと言っていたのを思い出しました。そういやあ、全52巻を大人買いしていった人もいたなあ。

うん。八年ぶりくらいにアニメ・ワンピースを観ましたが(チョッパーが仲間になったあたり、アニメオリジナルの「竜じい」が登場するあたりからしりません)面白かったです。いや、面白いね。いつの間にか、ルフィが「スーパーゴム人間U(全身から赤い闘気を噴出)」に変身できたり、ゾロの必殺技が三面六臂だったり、サンジの足が発熱したり、全員で敵陣つっこむ際に正装着用(黒スーツ)したり、銃乱射しているのにはビビりましたけど。あと、ナミがお色気担当なことは知っていたが、お姫様ポジション気味になっているのにもビックリだった。彼女もっと強かじゃなかったか?!
つうかシャオ、水田わさび(現ドラえもん)だったん?!
シキ、竹中直人なん?!
電気クジャク・ビリーはどうみても、アラバスタ編のガチョウでした。あ、カルガモか。(by ウィキ)

なるほど十周年。ところでこれなんてファンサービス?(そんなにファンでもないけど。)

2010.12.18(sat)23:23

先日は事業部の忘年会でした。忘れるほどの出来事もないような気もします。あ、あったわ、ひとつ。今年の春の芝居だ。かえすがえすも、学生最後の晴れ舞台、もっとどうにかできなかったかと思わざるを得ない出来栄えでした。なんか、そのへんのやるせなさ、どうしようもなさを、一口にことばにするのが難しいのですが、歩いている時などに思いだして、ああすればよかったなあ、と思います。

ごまめです。年賀状の図案を書き終わりましたが印刷する術がありません。スキャナがあればパソコンにも取り込みたかったのですが。まあいいです。

ところで忘年会直前に、上司二人にくっついて、バーで一杯飲みました。横浜中華街の一角にある、二十人も入れば満員になろうような、ちいさな見せなのですが、雰囲気が最高でした。正直、5000円のフカヒレ中華がはなはだザンネンな代物だったのですが、こちらのバーの印象が素晴らしすぎて、始終そのお店のことばっかり考えていました。

横浜中華街の「GREAT WALL」というお店。ジャズが流れ、古い洋書などがこっそりと飾ってある、ようするに古典的な、大人のための、洒落たバーでした。マスターの小父さまも、話してみたらきっと、含蓄のある話をたくさんきかせてくれそうな物腰でした。メニューがなくて、何を頼めば良いのか分からないのが、若輩者の私には悲しいところでしたが、それでも、「甘いめの、軽いお酒」というオーダーで、グレープフルーツの味のする青いカクテルを出してくださったのには感動しました。しかも大変美味でした。いままで飲んだ、どのお酒よりも、美味だと思うことができました。宴会前の時間つぶしに入ったので、三十分もいることができなかったのですが、また行きたい、と思ったお店でした。
素敵やで……。


そういえば、地味に「HOME」を更新しています。
中学生のころ、初めてFF9をプレイしたときは、サラマンダーの立ち位置がほんとうによく理解できなかったのですが、いまになって、味わい深さが分かるようになりました。あとマーカス。誰に対しても敬語で、腰の低い、それでいてなおあの立ち位置が理想。

2010.12.16(thu)22:29

先日、実家から電話がかかってきた際、たまたまそばにいた妹が母と電話をかわり、久しぶりに妹と電話をしました。

妹「あんなー、聞いてー、ほんまアリエヘンねん」(←口癖)
  うちの学校、学食でクリスマスソング流したからってモメてんねん。

そりゃ、そうでしょうよ。

妹の大学はバリバリの浄土真宗系大学ですから。

……というか、そんな大学でクリスマスソング流した放送部がビックリだ。よその神さま(救世主か)の誕生日祝ってどうする?!だが妹の学校の宗教学の先生、「聖☆おにいさん」読んで「おもしろいですねー!」と言ってたくらいなので、まあ、どうでもいいのかもしれんな。仏様も、そんなこと程度で怒るような方ではなかろう。って、そういう問題ではないか。
街はすっかりクリスマスカラーですね。みなさんいかがお過ごしですか。基本的にこの時期は、相方がおろうがおるまいが、一年における「二大どうでもいい季節」の一つです。(もうひとつはバレンタインデー。)
さてそのクリスマス、どうでもよくないお方もおられるようです。職場の先輩は、いまの奥さんと付き合った当初のクリスマスに、指輪を選びに行き、どちらにしようか迷うカノジョに一言、

「両方とも買っちゃえば?」

とのたまい、その後『クリスマスには指輪二つ』が定着したそうです。今年のクリスマスにも、奥さんは「サンタさんが来る」と言っておられるそうなので、何かしら用意しなくちゃならないそうです。なんだそりゃ。他にも先輩からはいろんな武勇伝(ベビーカーはイギリス王朝御用達、とか)を聞きましたが、ご本人はそれが生きがいなんだから、他人がどうこう言うことではありません。でもつくづく、「しんどい生き方してはるなあ……」と思わずにはいられません。そんなことしてたら、ハードルは上がる一方だと言うのに。て、いうか、これ、カントー男子の標準なんですか? そんなこともないだろうと思うんですが、いや、すごいなあ、都会って。

先輩曰く、「いい車に乗る地位(ランク?)に居たい」そうです。

なんかひたすら、林真理子の『下流の宴』に出てくる姉と母を思いだしたのですよ。
ごまめでした。

2010.12.13(mon)22:29

ばあちゃんが「おもしろいねん」と声をひそめて教えてくれたドラマの名は、

NHK「セカンドヴァージン」

おお……ばあちゃん、若いぜ。前に大塚愛の「さくらんぼ」に感動したって聞いた時もビックリしたけど、こっちも大概ビックリだぜ。
ごまめでした。

2010.12.10(fri)1:29

1.
満員電車に乗り込み でかけたら
窒息寸前 おちびなごまめさん
肋骨折れそう 心も折れそう
るーるるるー 今日もいい天気

2.
「ドア付近のお客様は おりてください」
降りたら もといた 電車にもどれない
見つめるごまめさん 乗客知らん顔
るーるるるー 今日もいい天気

3.
後ろの客に押されて 前のめり
ホームに ころげる あわれなごまめさん
靴が脱げた 線路に落ちた
るーるるるー 今日もいい天気

4.
線路の靴を取ろうと 駅員さん
探して 一言 「(電車に)もってかれたみたいです」
貸してくれたのは 健康サンダル
るーるるるー 他になかったのか


【 解題 】
1.ただでさえ混む東西線が、朝の7:30頃に15分延着したため、車内はさながら地獄絵図のようであったことだなあ。背の低い私のような者は、なおいっそうの苦しみを味わっている。できれば自宅に戻りたいがそういうわけにもいかぬ。今日もいい天気であることよ。

2.駅員は今日も「ドア付近のお客様は、一度ホームに降りてください」とお願いしている。私もそうして降りたは良いが、自分が乗ってきた電車に戻れなくなってしまった。心むなしくなり、電車の中の人々をみているが、彼らはこちらに何の関心も示さぬようにしているではないか。今日もいい天気であることよ。

3.なんとたくさんの人の降りる駅だろう。その人の多さにのまれ、私は前のめりになり転んでしまった。その拍子に靴が脱げ、ホームと車両の隙間に転げ落ちてしまった。今日もいい天気であることよ。

4.駅員が私の靴を拾おうと、悪戦苦闘してくれている。探してくれたのはいいものの、靴が見当たらない。どうやら電車に連れていかれてしまったようだ。途方に暮れる私に駅員が貸してくれたのは健康サンダルだった。いったいどうして、他のサンダルではなかったのだろうか。(今日もいい天気であることよ。)


実話。
ごまめでした。

2010.12.08(wed)22:15

掛け布団のカバーの裏側に毛玉が大量発生し、肌触りが残念な感じだったので、買い換えました。無印良品で枕カバーも一緒に買って3000円也。ときどきこういう、地味にどうでもいいものを衝動買いをしたくなります。蒲団の肌触りが悪いことは由々しき問題です。お風呂上りに頬に触れるところがザラザラしてたりカビ臭かったりするのは許せん。実家ではろくに蒲団を干さなかったのですが、ここ半年は二週間に一度は干すようにしています。それでも少ないか。独り暮らしを始める際に蒲団を新調したのですが、あまりの寝心地のよさに、実家で自分が寝ていた蒲団が、いかに煎餅な代物だったかを思い知りました。今の蒲団も大概安物なのに、厚みがちがうって、どんな年代物だったんだ。

ごまめです。

ところで今朝、先輩のメールボックスに、賞与速報が届きました。
先輩、それみて絶句。
しかし、お昼御飯を食べるころには、息子(二か月)をおむつのCMに出そうと画策していました。

たくましいなあ。

2010.12.07(tue)21:09

『ノルウェイの森』の公式HP観てきた。
ビートルズの『ノルウェイの森』は、あかんて……。
泣くて……。

しかし劇場映画は『アリス・イン・ワンダーランド』以来だ。楽しみ。

2010.12.06(mon)23:12

ほんとうに、あっという間に12月ですね。去年の今ごろは、必死で卒論書いていたなあと思いだすと、うわあこれほんと、このままいったら還暦とか、すぐちゃうか、と思います。
ごまめです。

昨日はオーサカから相方が遊びに来てましたので、一緒に『マトリックス リローデット』『マトリックス レボリューション』見てました。
劇場で見なくてよかったー!とほんとうに思いました。
まぁ、そもそも第一部をリアルタイムで見ていなかったので、はなから見にいくつもりがなかったのですが。 『リローデット』なんか、詐欺ちがうの?! あんなのをお金はらって見せられたら、続き気になりすぎて胃に穴があくんとちがうか。モーティアスが日本刀を振り回したり、「ザイオン」の評議会たちの衣装がジェダイ(どちらも着物状なんだな)だったりと、こまごましたところで「クールジャパン」がフィーチャーされていたのが面白かったです。なんだそのクールジャパン。『レボリューション』なんて、普通のハリウッド映画としてとても楽しめたけれど、『マトリックス』の最終章と言われたら、うむむ、となる。だが、鍵を作るおっちゃんとか、預言者とか、サティーとか、いいひといっぱいでした。

うむ、面白かった。でも映画的にどう、とかいう話は、やりつくされていそうだし、とりあえず「面白かった」という感想しか沸かないんだから仕方ない。雰囲気、というか方向性は、沖方丁『ばいばい、アース』『マルドゥック・スクランブル』に似ているのかもしれない。

母に「年末は『ノルウェイの森』見にいくでー!一緒にいこか」と誘われました。せっかくなので観てきます。ちなみに母は村上春樹よりも、松山ケンイチの大ファンです。『銭ゲバ』も『カムイ伝』も『人のセックスを笑うな』も観てました。しかし母はシャイな50代なので、『人のセックスを笑うな』と口に出すのが恥ずかしいそうです。しかし娘たる私は『人のセックスを笑うな』を恥ずかしがる前に、『デトロイト・メタル・シティ』を借りてきてまでして観たことを、ひとまずちょっと恥ずかしがるべきです。『デスノート』も観ようと思ったらしいです。ちなみにトーキョーに来た時、おみやげに「TV Station」を置いてってくれました。
がんばれ母。がんばれ母。私は限界だ。

映画には妹と母の三人で行く予定のようです。妹は『ノルウェイの森』を読んで、「いいわー!」と言っているらしいです。
まじで? 『トイ・ストーリー3』で思いだし泣きしてたのに?

2010.12.06(mon)22:12

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